熊さんとしては私を娘のように思っているのだろうか、なんだかそれは変な気持ちであまりそう思われたくはない気がする。


「熊さんには、その、迷惑かけたくないし。

それにまずは学生で何とかすべきだと思うから」


「俺は何も迷惑じゃ無いから今度から先に話してくれ」


「でもまずは生徒で動かないと生徒会の意味は無いよ」


「生徒会は生徒の自治を円滑にする組織であって、犯罪に対抗する組織じゃ無い」


「犯罪って。ただのセクハラだよ」


私は笑うけれど、熊さんの目は何か違う。

熊さんが警察官だからそういう悪い人が許せないのだろうか。


「セクハラの内容によるけれど、行き過ぎれば刑事ならわいせつ罪や軽犯罪法違反などに問われる可能性があるし、民事なら損害賠償請求を被害者は起こせる。

なかなか立証の難しい案件だが、セクハラは軽いものじゃ無い」


すらすらと熊さんが話す姿を私はぽかんと見る。