「生徒は子供で教師は大人だ。
特に学校の教師というのは非常に狭い世界で君たち学生を指導する立場だが、それをはき違えて自分にはとても力があると思い生徒に振りかざすこともある。
狭い世界にずっといるから生徒はもう逃げられないと考えがちだが、それはその学校の生徒対教師での話しだ。
生徒側に大人が出てくれば対応は変わるし、むげには出来ない」
「ようは教育委員会とかに言うって事でしょ?でも学校側が話を聞かなかったってニュースで見るけど」
「ただの親ならね」
私は首をかしげる。
「その親が政治家、警察官、弁護士なんかが強く出れば俄然状況は変わる。
ようは力のある大人が動けば良いんだよ。
それで上手く収まった場合だって沢山あるけれど、外には出ないから知らないだけだ」
「うーん残念だけど、うちの生徒会にそんな親はいないよ」
「だから俺がいるだろう?」
親じゃないよ、熊さんは。
きっと親代わりだと言いたいのだろうが、熊さんが父親、そういう気持ちになったことはない。