俺の名前は斉藤健(さいとうたける)。

両親が離婚して佐藤姓から斉藤姓に変わった。

埼玉の実家で母、祖母、妹と猫2匹。

女性に囲まれた生活をしていた笑。

高校生の時、東京の原宿あたりに友達と遊びに来ていて、スカウトをされ芸能界に入った。

子役を少しだけしていた事もあって、直ぐに仕事が貰え。

高校生にして、学食のカレーだけを楽しみに生きてた俺が“世界を救った”笑。

子どもに人気の変身系のドラマで主演をした事もあり、次から次へとオファーが来る様になった。

とても、ありがたい事だ。

共演者の方々は、どなたも綺麗な人ばかりで、俺からは何もしてないと言うのに、勝手にメディアが騒ぐ。

いつしか共演者キラーみたいな異名もついた。

でも、別に俺は何もしてないし、何も言ってないから、噂に左右されずに過ごしていた。

所属した大手の事務所には、どんどんと後輩もでき。

先輩だけど、後輩の可愛い奴とか。仲良くさせてもらってる笑。

そいつの名は新田隆之介(にったりゅうのすけ)。

歳は俺より4歳下だが、芸歴としては俺の先輩にあたる。

新田は子役からずっと、この世界に居て今でも最前線に君臨し続けている。

事務所で定期的にする俺のイベントに、勝手に乱入してきたり。

奇想天外な事をするが、可愛くて憎めない奴。

いつしか、何故か知らんが俺の事を“健先生”と呼ぶ様になっていた。

メディアが取り上げる数々の噂を、事実ではないと分かってくれている中の1人。

同志の様な、友達の様な。そんな感じの関係だ。

その新田が、有名な監督の映画アニメの声を担当すると聞いて、映画の試写会に行かせてもらった。

と言うのも、新田が必ず来いと煩く言うから仕方なくだったのだが。

そこで“運命の声”に出逢った。