スウェットの紐で区切られた線。


その線の向こう側で、頼人が何やら押し入れから物を出してゴソゴソとしている。


このときはまだ、まさかこたつを出すなんて思わなかったし、使わせてくれないなんてことも思ってもみなかったから、まんまと向こう側にお邪魔して、手伝ってしまった。


「はあ、やっぱり冬はこたつだよな」


とこれみよがしに自慢してくるうざい同居人。


ここ最近の私は、バイト代で買った毛布を、頭から被りながら過ごしているというのに。


良心というものがないのだろうか。