つい、笑ってしまう。


瑠架はそんな私を見て満足そうに手を差し出す。


「今日はマスカレードだ。仮面を付けていれば誰も分からない」


「…?そうね」


「だから、俺とお前が踊っても、普段のような突き刺す視線に辟易しなくていいと言うことだ」


「確かに」



瑠架はどこに行っても注目される。


けれど今なら、きっと誤魔化せる。


私も遠慮しなくていい。


今日は少しだけ、素直になってみよう。



「俺と踊ってくれないか?」


「っはい…!」



願わくば……


前世の彼らに祝福がありますように。


そうして共に、これからを生きていきましょう。


愛する人の隣で、ずっとーー…。




《終》