「確かに境遇はルイも椿も変わらないだろう。敬遠され、存在すら否定されてきた過去は通ずるものがある。だが、それだけだろう?
ルイは天真爛漫で、いつも俺は振り回されていた。対して椿は、周囲から隔絶され、それすら受け入れてきた。境遇は同じでも思考は全くの別物だ」
「……確かに、そうかもしれない。ルイと私が同化したことでそれを強く感じてる」
「同化?」
「前世の記憶が全て戻ったの」
私の言葉を聞いて、驚く瑠架の表情が窺える。
それは、どういう心境なのだろう。
喜んでいるのか、はたまた落胆しているのか。
「正直、まだ混乱してるの。それでも分かる」
「…?」
「私、貴方が好き」
瑠架の目が、限界まで見開かれる。
「ルイの心も椿の心も、貴方を欲しているのが分かるの。これは、想っていてはいけないもの?」
「っそんなわけないだろう!」