その後、利央は気を利かせて2人きりにしてくれた。
ちょうど良い。
私はこの人に聞きたいことがあったから。
「瑠架は、私があの人に似ているから気にかけてくれるの?」
似ている、だなんておかしな話。
全部の記憶を取り戻して、ルイと私は本当に一人の人間になったというのに。
けれど、この人はきっと「似ているから」とは言いはしない。
そう、流石に口にはしないでしょう――…?
そんな一縷の望みは、複雑そうに歪んだ瑠架の表情を見て、消え去った。
言わないだけであって、心中ではあの人を想っている……?
少なくとも、私にはそう思えてしまった。
顔が曇っていくのが自分でもよく分かる。
期待は元より、最初から持たない方が互いの為になっていただろうか。
この人に出会うまでの私は、確かにそれを分かっていたはずだ。
……と、不安を抱えた私に掛けられたのは、最悪の結果ではなかった。
グラつく心に、それを掬うが如く、溶け込むようにはっきりとした口調で告げられる。
「違う」
そう、言ったのだ。