「っ…ぐ、」
次の瞬間には、私の背中は地面に叩きつけられていた。
双方の仮面が外れて、カランと床に転がる。
これはどういう状況だろう。
首を絞められて、声がうまく出せない。
突然、何が起きたのかも分からずに、首に手をかける深門の手を苦しさから引っかいた。
「っはは、どうしてだろうね。君はどうしていつも僕以外のところへ行ってしまうんだろう。
いつもいつも感じていたよ。なんて無力で、惨めったらしいんだろうって。他の奴に奪われるくらいなら、君を殺して、そうして来世にまた出会って恋仲になるのも悪くない」
ギチギチ、と嫌な音が聞こえる。
彼は、本気なのだろうか。
本気で私を殺そうと…?
「っう、あぁっ…!」
首を絞められているのとは無関係に、頭が痛みを訴える。
ズキンズキン。
痛い、痛い、痛い。
いつかの時を思い出す。
これは、記憶が戻る予兆だ。