「…――っ!!」
声にならない叫びと共に、飛び起きた。
荒い息が口から漏れる。
汗ばむ手、しっとり濡れた服。
汗の浮く額を拭う私の顔を、心配げに覗き込むルームメイトがいた。
「随分うなされていたみたい。……大丈夫?」
「……平気」
相部屋に加えて、ベッドは隣同士。
常に互いの状態が筒抜けなのは考えものだ。
額に触れようとする手を交わして、床に足をついた。
嫌な、夢を見た。
何も見えない闇で聞こえる、訴えかけるような誰かの声。
最近よく見るようになった。
場面が切り変わるわけでもなく何度も、何度も。
私は何か忘れているのだろうか。
あの声に覚えがないうえ、その主さえピンとこない。
頭が痛くなる。
だけど……