そんな折、起きた暴動。


いい気味だと、ざまあみろと思った。


結果、自身も失ったものは大きく、互いにその差は相違ないものだったが。



愚劣で良いなら嘲りはいくらでもある。


言い方は時に形を変え、相手を蔑む。


けれども、その本質はどこまでいっても一つなのだ。



『羨ましい』――。



どれだけ妬み嫉んでも、辿り着くのはその思い。


今世もそうなるだろうと予測をし、分かりきった事だと、冷笑が漏れた。


歪んでしまった心が、ずっと叫んでいたと知りもせず。



僕はそう、あの時に火種を撒いただけ。


薄汚い大人達に手を貸してやっただけ。


あの暴動は、幾多の命を奪う引き金となった。


だけど、それが何だ。


ルイを手に入れるためなら、彼女を虐げてきた大人達を葬るのも容易いこと。


炎の渦に呑まれる光景を一望し、愉悦の笑みを浮かべ見下していた自分を思い出す。