《――…わせよ。すごく》
《私はとても、幸せなの》
《ねえ神威。あなたはどう?少しは楽になった?》
《彼が来る。だから私は心、踊るの》
《貴方は今日も来るかしら》
《求めて。もっと私を。ねえお願い。
私を求めて、神威…》
だれ?
ああでも、確かに私は……
心に語りかけるような声の持ち主を、知っている。
ずっと長らく夢に見る、あの女性。
こんな場所に閉じ込められて、どうして笑っていられる?
いつも一人で、誰を待っている?
貴方は一体誰なの?
ねえ。
だ あ れ ――…?
いや、分かっている。
ようやく、私は夢の情景を思い出した。
あれは、前世の記憶だ――。
「――っ…!!」
首に感じる鋭い痛みで我に帰った。
懐かしくて、優しくて、辛くて、思い出したくなかった記憶が現代の私とリンクする。
「神威…?」
私の最愛だった人。