ラッピングに使った袋、すごく女の子っぽい柄だ。

これを男がプレゼントしたと思うほうが違和感なくらいに、オレンジ系統に赤系統、よく見るとハートマークなんかも付いてた……かも。


なにしてるの。
男の子でしょ、わたし。



「ってことで、俺がもらうから」


「え…、あっ…!」



引き出しにしまったはずの小袋。

ひょいっと取り出して、またもや強引に奪ってしまった御堂 頼。



「頼くんっ!だからそれは俺のお昼ごはん…!」


「大事に食べてあげるよ、俺は」


「っ、」



覗き込まれた目が、なんとも言えないくらいに温かくて。

唯一わたしの本当を知っている彼しかその眼差しは出せないと思った。


てっきり、てっきり、「よく来れたな」的な目をされると思っていた。


なーちんが言っていたように、弱みを握られたわたしは良いように扱われちゃうのかなって。

なのに、想像していたものとはまったくの正反対。


どうしてそんな顔してるの…?と、聞きたくなる。