想像してしまったのか、ふらりとお母さんは頭を抱えてサッと支えるお父さん。

を、パチパチと拍手してから食事に戻るわたし。


なんてことを呑気にやっている暇がないくらい、とりあえず我が家は追い詰められているのだと。



「そうなると我が家はマイホームを失い、ゆくゆくは借金地獄…、
母さんやカンナにあんなことやこんなことをさせるハメになるかもしれない…!!」


「あんなことってなに?こんなことって?」


「駄目だっ、そこは掘り下げてはいけない!こんないたいけで可愛い嫁と娘にさせんぞ俺は…!!」


「あなた…っ」


「わあっ…!」



右にお母さん、左に私。

むぎゅっと抱き寄せてきたお父さんは嘆きつづけていた。



「…カンナよ」


「じいちゃん!」


「おおう、かわええ…。あっ、違うわい。…カンナよ、おじいちゃんの願いを頼まれてくれるか」



理事長本人に見つめられ、ジュースを飲んだついでにゴクリと喉を鳴らしておく。