朝に見たときは落ち着いてるクラスメイトって感じだったのに…!



「やぁぁ……っ」


「…なにそれ、超女の子。男がそんな声出したら駄目だろ?」



ここはオオカミしか居ないということ。

やっと分かったのは、食べられてしまう寸前。



「髪、もとからショート?」


「きったっ」


「なんで男なんかになってんの?」


「…いろんなっ、事情からっ」



生身の肌を滑らかにすべる手のひら。

逃げたいのに力がまったくと言っていいほど抜けてしまい、わたしはただ寄りかかるように立っているだけで精いっぱいだった。



「明日、全校生徒にバラしちゃっていい?」


「それはっ、いくらなんでも早すぎる……!」


「…ふっ、」



そんなことされたら逆にこの学校が終わってしまう。

そのリスクを背負って、1年間という期限だけ男になるつもりで来たんだから。


まだマンション契約したばかりだし、今のまま元の学校に戻ったらなーちんも驚く。

早くね?なんて言われちゃう…。



「…あれ?スポブラとキャミソールか…、これがサラシの代わりってこと?」


「うひゃあ…っ!だ、だってっ、ずり落ちちゃったんだもん…!」