ただその先はシークレット、だと。
ここまで話されて止められるのがいちばん嫌なのに…。
「でも俺は、頼の優しさも好きだった」
「より…くん」
は、朝にタブレットで映画を見ていた人。
ムツミ、琥珀くん、頼くん。
この3人のあいだには何かが繋がっているような気がする。
この高校は本当にすごい生徒たちで溢れてるんだ。
理事長の孫だというのに、わたしは無知すぎたかもしれない。
「夢中になることってさ。一歩まちがえると破壊になる。…こえーよな、ほんと」
そう言ったムツミは、彼らしくない顔をして微笑んだ。
「んで、ここが食堂な」
「フードコートみたい!」
「な?すげーだろ。ご当地グルメが食べられるぞ。この学食だけは甘彩学院にも勝ってると思うわ」
それから空気を変えて、着々と案内してくれた。
レコーディングスタジオにライブハウス、多目的ホール。
アイドルコースの練習場から始まって、俳優コースの稽古場だったり。
そして最後は、この大きな食堂。