あれ?あれえ…?
地面から足が離れなくなりました……!!

という言い訳を脳内に展開させるが、どうだろうと迷う。


うううっ、どうしようどうしよう…!
こんなの解けないよお父さんお母さん…っ!


────とんとん。



「…?」



そんなわたしの机を叩いたのは、なんと隣の席の男の子だった。

涙目の視線を移してみると、差し出されるように見せてきたノートの端、ルーズリーフに書かれた計算文字。



「……これ、」



もしかして、答え……?
また琥珀くんに助けてもらっちゃってる…?

パーカー、今日返せるかもしれないと思ってリュックに入れてあるんだよ。



「お、大正解だ。わりと難しい問題を提出したんだけれど、さすがだね」


「は、はい…、こんなの余裕のよっちゃんです」


「…わりと古いな、郡くん」



決めた、今日の放課後だ。

今日の放課後にさっそく返して、あのときのお礼と今のお礼も言おう。

そしてついでに……メアド、とか。