「では、この方式の問題を……転校生に解いてもらおうかな」


「え」


「前の学校でのお復習も含めて。ほら、黒板の前に来てくれるかい?」



困ることがある。
とてつもなく困ることが、いくつかある。


ひとつは、この学校は特殊なコースが設けられているとはいえ、一般的な科目も併用して行われること。

そしてもうひとつは、かなりレベルが高いということ。



「郡くん?どうした?」


「ええっと、あのー、」


「ん?」



そんな複雑な問題、前の学校でやってないんですけど……。

だいたい始業式の日に授業って……!!
もっと優しくあろうよ神藤学院っ!!


と、言おうとしたところで教室内を見渡した。


ニヤニヤ、ケタケタ、どうせ解けねえだろ?と小馬鹿にする野郎どもの視線。


もしここで大人しく頭を下げたなら、もっとわたしの立場は低くなる。



「こ、こんなの余裕で解けるしっ」


「うむ。では郡くん、がんばって」


「………」