「頼くんが洗濯機ならわたしは洗剤でっ、頼くんが枕ならわたし枕カバー!」
「……あのさ、例え方が毎回絶妙すぎんの」
「えっ、じゃあ…、あ!ハンバーガーの紙!頼くんがハンバーガーなら、わたしはいつも包み込む紙っ」
「……箱パターンもあるけど」
「もちろんその場合は箱になるよ!?」
「…ふっ、なにそれ」
そっと涙を拭った頬は、ひんやりつめたかった。
耳も寒さで赤くなってるから、ずっと誰かを待ってたのかなって。
「…来るの遅いんだよカンナチャン。寒いし、もう…、寒いしさ」
「あっ、そうだよね…!ごめんっ、温かい飲み物…っ、あっ、とりあえずわたしのマフラー巻い───わっ!」
もっと、もっといいよ。
頼くんだから許せることがたくさんある。
苦しいほどきつくきつく抱き寄せられた腕のなか、なにを言われても頼くんの言うことなら聞ける気がした。