「お客様、申し訳ございませんが店内では───」


「イケメンっ、超絶イケメンは来てませんか…!!黒髪ナチュラルウルフのっ、
よく見るとピアスしてて合コンなんてふざけた場に来ちゃってるイケメンは…っ!」


「えっ、ええっと…、合コンかは分かりませんが、あちらのお席かと…」


「あざす!!!」



店内ではお静かに。
ええ、ええ、わかっているんです。

なので見慣れた高校生集団がいるテーブル席、わたしは早歩きに変えた。



「カンナ…?おまえ何してんだよ?」


「サチヤ!頼くんっ、頼くんはっ、……いない…、てか合コンは…?」



見るかぎりふて腐れた様子の野郎たちのみ。

メロンソーダにピザ、ポテト、パフェ。
なんて切ないパーティー会場だろう。


そしてそこにお目当ての彼は不在だと。