それはもう過去のわたしであれば「これってデートじゃん!」と、盛り上がっては叫んでいたことだ。
「Ark.は作ったというより自然に作られたバンドだから……ことの発端は、頼が僕の作った曲を弾きたいって言ってくれたのが始まり」
「うんうん」
「僕のベースと合わせて、そこに…歌が得意だった志音も加わって。そんな感じで遊び程度にやってたら、
中学3年の頃にドラムが凄い上手い人間がいるって噂が回ってきて。それが、ムツミ」
「そこからバンドになって、Ark.誕生ってわけかあ」
ここで、わかった。
本物のArk.のボーカルはシオンさんだったんだって。
彼女は今アメリカで有名な歌姫だし、もちろん薄々気づいてはいたけれど。
そんな接点があったんだね、彼らには。