それはそうと蘭 琥珀と一緒にシュークリームって……なにこれ、夢……?
「琥珀くん、…前の出来事はなかったことにする」
「…ごめん」
ごめん製造マシーンか、こいつは。
でも、あれはなかったことにする。
なかったことにするから交換条件を持ってきた。
「だから琥珀くんもナシだよ。男が男にキスしてるだけなんだからあんなのっ、あんなものは!!」
「うん」
「それに今日の俺って琥珀くんに付き合ってあげてるんだよね!」
「うん」
「わざわざっ!忙しい放課後を割いてまで!!俺がわざわざっ」
「うん」
「はいどうぞ語ってくださいArk.の結成秘話」
「…………」
機密情報は歩きながらするといい、と、何かの本で読んだ。
通りすぎる人間たちには部分部分でしか聞こえないため、完全なる情報として入らないのだと。
たくさんのお店が並んだ大きめのショッピングモール。
服屋さんに雑貨屋さん、本屋さん。
なにを買うでもなく並んでぶらぶらと。