「サチヤ、可愛い子揃ってるよね?」
「ん?おう!もちろん!」
「俺ね、ちょっとアホな子がいいな。予想外で元気な、……できればショートヘアーの」
「いやそれは……逆になかなか居なくね?」
誰のことを言ってるの頼くん。
それを聞いてわたしじゃないの?って思うくらい、頼くんからいっぱい初めてを貰っちゃってるんだよわたし。
「っ、琥珀くん!行くぞシュークリーム!50個は食べてやるっ」
琥珀くんの腕を掴んで、地獄からの脱出を試みるように教室を出る。
まったく同じはやめてよ頼くん。
アホで予想外で元気なショートヘアーだなんて。
それ以外の人にして。
正反対の女の子なら、わたしだって受け入れられるかもしれない。
きっと、きっとその日は、いや今日も帰ったら号泣なんだろうけれど。
「ねえあの人やばい!銀髪の!イケメン…!」
「ちょっと!あまりチラチラ見るとバレちゃうでしょ…!」
「なによ~、あんたも見てるくせに~」