「御堂!忘れてねーよな!?このあと合コンだぞ!」


「…場所どこだっけ?」


「西口のラニーズ!お前の写真見せたらやっぱ大盛り上がりでさ、予定より女の子の人数多いかも!」



───それから訪れてしまった1週間後の金曜日。


しまった、耳栓を持ってくるの忘れた……。
聞きたくもない会話がダイレクトアタック。


ポーカーフェイス、眉をキリッと。

そのつもりだけど、いろいろ考えれば考えるほど、ふにゃりと情けなく揺れる。



「僕と一緒に帰ろ」


「………琥珀、くん」



どういうつもりかなんて、もう分からない。

この人はもう、わからないのが琥珀くんなのだから。


わたしの席の前、すでに帰り支度を済ませて立っている銀髪マッシュの男の子。



「郡さんと寄りたい場所があって」


「……どこだ」


「シュークリーム、食べに行きたい」



通路を挟んだすぐ隣には、ちょうど席を立とうとしていた頼くんがいる。

さすがに彼も琥珀くんの行動には驚いたようで一時停止させていたが、わりと早めに再生ボタンが押された。