口調もできる限り男らしく、胸を張って堂々と、どんな場面でも怯まない!
それがわたしの心意気だった。
「お前みたいなタイプは、可愛がられる」
じーっと見つめてきた先生はふわっと、表情を崩した。
「へっ?」
「まあでも、気をつけろよ」
「なにが、すか」
「…もちろん、そっち系の生徒もいるってことだ」
ぎゃーーー!!!!と、脳内では悲鳴オブ悲鳴。
いや別にそういう偏見があるわけではなく……!
ただ、なんというか、先生の意味深な微笑みに悲鳴だ。
「ふっ、冗談だ」
「………」
「行くぞ」
「せんせえ…、むり、僕すごい怖くなった……」
わたしが弱音を吐くと、背中を向けた担任をまた振り返らせてしまった。
「僕、ってのは辞めたほうがいいな」
「え」
「似合いすぎて最悪、掘られるぞ」
「……なにを!?!?なにが!?なにで…!?怖い怖い怖い!!おれっ、俺って言うけど怖いぃぃぃっ」
「ほら来い。もっと怖ぇことにされたいか?」
「………」