とも、だち……。

わたしの幸せは、頼くんにとっては“友達の幸せ”なの…?


女の子、男の子、その壁を乗り越えたと思ったら。

今度は友達だと。



「でも、わたしのこと…好きだって、」


「好きだよ」


「わ、わたしだって頼くんのこと…っ」



今ある隙間だけでも埋めたくて、頼くんの制服をきゅっと掴んで見上げた。


見下ろしてくる彼は、いつもならキスをしてくれるの。

可愛いって言ってくれて、キスして抱きしめてくれる。



「より…くん…?」



ちがう。

そんな顔をして欲しかったわけじゃない。
そんな目で見て欲しかったんじゃない。



「っ、琥珀くんっ、家に上げちゃった…!」



ヤキモチ、妬かせるしかないと思った。

ここまで来たらもう、感情的になってまでも頼くんの気持ちを揺らがせるしかないって。



「ぎゅってされてね…!き、キスされたよ…!おでこと頬っぺたっ、いっぱいされちゃったの…!」