どうやら彼はそこは知っていない、と。

もうじいちゃん!
ここまで教えてくれないと困るよ……!



「じゃあさっそく教室に案内するから、ついてきて」


「うぃっす!」


「おー、ちょっと生意気だが良い返事だ」



はい、良い先生です。

ここでシカトする先生は生徒にあまり興味を持たない系の教師だと、わたしのなかでのジャッジポイント。


クールハンサムな斎賀先生はまずまずのクリア。



「でも、良かったわ」


「え?」


「転校生がカンナのような子で」


「わ…!」



広い廊下の真ん中、くるっと向き直った先生は、わたしに顔を近づけてきた。

よく分からない視線をぶつけられて、思わず引きそうになる。


それにしてもさっそく名前呼び……だと。



「な、なんすかっ!なんすかもう!」



もしかして……バレ、た…?

ここで見破られちゃったとしたら、わたしはどうすればいいの。