あれ……?
頼くん、いつもこんなことなかったのに。

どんなときだってわたしを優先してくれて、席が近いから尚更こしょこしょ話で乗りきったりもして。


わたしのこと……避け、てる…?



「頼くん食堂いこっ」


「ムツミー、お前もどうー?」


「え…」



4限が終わってみんなが席を立ち上がるなか、「えっ、俺も?」と、ムツミも驚いていた。


そりゃそうだ。

いつもは逆にわたしが誘って、それを頼くんが断るパターンがお決まり。


ふたりがいいからって、わたしは本当はそんな彼の言葉を聞きたいだけ。

それでも今日は。
やっぱり違う何かがあるみたいだった。



「やっぱ人数は多いほうが楽しいし」


「おういいぜ!なんか新メニューが出たんだってよ」


「え、ほんと?争奪戦じゃん」


「まあお前の権力があれば……って、おいカンナ、お前も早く来いって!」



なんか、なんか。
胸がざわざわする……。

すごく気持ち悪い感じだ。