これ以上休むわけにはいかなかった。
学校に行きたい気持ちはあった。

授業に遅れてしまうからではなく、残った時間が少ないから。



「やっと来たかカンナ!なんでお前だけ連休取ってんだよ!」


「ごめんっ!ハワイ行ってた!」


「おい!!」



いつものわたしを作るため、洗面台の前で戦ってきた。

笑顔を作って、「俺は男だ」と口癖を繰り返して。


教室に入ってからいちばん最初に探した人物は、右隣から左隣の席に変わった彼だった。



「あれ…、頼くんはまだ来てないの…?」


「ん?あー、確かにいつもなら来てるよ
な」


「………」



数日間音信不通にしてしまって、それでもお見舞いに来てくれて。

その日、泣いてしまったことが駄目だったんだろうか。

もしかしてわたしのことが嫌いになってしまったんだろうか。


だって、その日以来、今度は頼くんからの連絡がパタリと消えてしまったのだ。


昨日わたしはメッセージを送って、声が聞きたくなって電話もした。

ごめんねって言うために。
それでも繋がらなかった。