なんか……お嬢様にでもなっちゃった気分だ。むふふ。

お父さん、今日からあなたはわたしの執事でいいよ?



「ひょへへ、ひょーひゅーひょひょ?」



それで、どーいうこと?


小さなときからの癖。
口には詰めるだけ詰めてしまうこと。

今もたくさん含んではモグモグと、とりあえず聞いてみた。


そんなわたしの姿を「相変わらず天使じゃなあ…」と微笑んでいたじいちゃんは、ハッと真剣な眼差しに変わる。



「息子よ、説明してやりなさい」


「…はい」



お父さんのことを続柄で呼んだ祖父は、すべての説明権を彼に託した。



「カンナ様、」


「もー!だからそれ嫌だってば!」


「ううっ、相変わらず優しい娘を持ってしまった…!」



しみじみと目頭を押さえるお父さんへ「どうぞ続けて?」と、ふわっふわのスクランブルエッグをすくいながら言う。


こんなことしてたら一向に話が進みやしないよ、まったく。



「ところでカンナちゃん、学校は楽しいかい…?」


「学校?たのしいよ!親友はひとりしか居ないけどっ」


「そ、そっかあ…」