「え…、───…琥珀くん……?」



その日、大降りの雨。

スーパーにお買い物に向かっていた土曜日、帰り道でのことだった。


買い物袋を手提げたわたしの少し先、なんと傘も差していないずぶ濡れの銀髪さんが。



「琥珀くん……!!なにしてるの…!?雨っ、わっ、すごいビショビショ……!!」



雨とシャワー間違えちゃった……?
それともあえて節約のために…?

なんて思ったけれど、髪も服も尋常じゃないほど雨に打たれていることで、また違う神々しさがあった。



「……さむい……」


「だよね…!?神様が死んじゃう……!!とりあえずっ、うちっ、すぐそこだから…!!」



タオルあったよね…!

雨続きだったけど唯一乾いてるバスタオル…!


本当は今日わたしが使おうと思ってたけど、ここはもう神様へのお供え物だ。


ぼんやりと突っ立っていた今にも消えてしまいそうなクラスメイトの腕を引っ張って、急いでマンションへと。