ふっと笑いながら、俺は公園内にある自動販売機へ向かう。

さすがに見てるほうが寒いから、志音が昔から好きだった温かいミルクティーを購入。



「どーぞ」


「…ありがとう。頼…、頼はクリスマスは予定とかあるの…?」


「俺?うん……まあ、あるかな今年から」


「…今年から…?」



ベンチに座った志音。

俺も座ればいいと隣を空けてくるが、立ったまま話すことで長話をするつもりはないことを伝えた。


せっかくアメリカから来てくれてる幼なじみに対して薄情かもだけど。


でも、たとえ幼なじみだとしても、俺はもう志音とふたりになろうとは思わない。



「大切にしたい子、できたんだよね」



だから駄目だよ、こーいうの。

少しの不安も与えたくないし。


正直俺は、男女の友情というのは例外を除いて成立しないと思ってる。

小さな頃から兄妹みたいに育っていようが、そんなの関係なく。


ただ、その例外とは。


たとえばどうしても男として生きなくちゃいけない、とかね。

その場合は片方が合わせるしかない。
というのが、俺だったわけだ。