「女っぽいなーとは思ってた。なんかアホそうだし。でも驚いた。…まさか本当に女の子だったとは」
「………あれえ?」
「ふっ、でもその子、俺の幼なじみに恋しちゃってたっぽくて。友達になってから後悔したよ俺。
今まで後悔したことなかったし、そーいう生き方をしてきたつもりだけど。その子、唯一俺に後悔を教えてくれたんだ」
似ている。
わたしのことを話されていると思ってしまうくらい、似ている。
逆にこんな体験を彼は2度も経験していることのほうが、すごい。
「友達になって、なんてさ。でも……今になって考えると、それもそれで正しかったのかなって。その子の隣にいることはできたからね」
……いや、似すぎだ。
似すぎというか、同じだ。
頼くん、それ……、だれとのお話……?
「───郡 カンナちゃんっていうの、その子の名前」
「っ!」
大きく開いたまぶたで瞬きを繰り返すわたしを見て、いとおしげに微笑んでから、抱きしめられた。