「じゃあ……もっとおかしくなってよ」
「え───…、っ、ぎゃああっ!!ひゃーー!!あはははっ、よりっ、くん!だめだめっ、やだ…っ、くすぐったいって……!!」
どうしてくすぐられてるの。
こしょこしょ、こちょこちょ。
わたしの脇腹からお腹、頼くんは意地悪な顔をしてくすぐってくる。
「よりっ、くんっ」
はーーっと、ようやく終わったと思えば、ワイシャツはペラリと捲れてしまっていて。
そのなかのタンクトップまで乱れて、素肌が覗いていた。
そんなわたしを見下ろす頼くんの目は、見たことがない熱まみれだ。
「俺ほんと、ズルくてセコいよ」
「え…?」
「今のもカンナチャンに触りたいがための口実ってだけ」
それは、嬉しいよって。
そんなふうに言ったら彼はどんな顔をしてくれるんだろう。
でもわたしは今、たぶん女の子だから。
こんなふうに思っちゃった…。
「い、いらない…」
「…え?」
「こっ、口実なんかっ、…いらないよ」