「お邪魔しまーす」
「………くっそう…」
「ははっ、ごめんって。焼き肉より今日はエビフライとかの気分だったんだよね俺」
なんやかんや初めてのお客様だ。
頼くんがわたしの一人暮らしするマンション内に足を踏み入れたのは、初めて。
身内以外の人間をお部屋に上げるわたしも、初めて。
「お、わりとシンプル」
「そりゃ男だからっ」
「ああ、そっか」
そっか、って。
え…?
頼くんってわたしのこと男だと思って生活してないの…?
ううん、そうじゃないはずだ。
女の子として見てくれているのか、そうじゃないのか、わからないのが頼くん。
「つまんない部屋だろっ」
「つまんないっていうか……下着の部屋干しとかが無いのが残念かな」
「っ!頼くん…!」
タンクトップ型のサラシだよ…っ!
頼くんがわたしにくれたやつ!
面白くもなんともないよっ!
まあ……家にいるときは女の子用を着たり、してるけれど。