この激しいベースラインを指のみで弾(はじ)いて叩いて引っかけて演奏する、琥珀くんにしかできないスラップ奏法。
そしてラスサビまで盛り上げるは頼くんのギター。
キュイーーン、ジャジャーーンと、ひとつのギターから出される様々な音はまるで、なにかを喋っているみたいだった。
「さあ行くぞ神藤学院っ!!」
「「「おーーーーっっ!!!」」」
わたしの声を合図に、ぜんぶがひとつになる。
こんなに気持ちいいだなんて知らなかった。
ここまで全身で堪能できるものが世の中にあるだなんて、知らなかった。
メインはStar☆tice。
スポットライトが追いかけるのは、Star☆tice。
でもやっぱりどうしても目立っちゃうね。
頼くん、琥珀くん、ムツミ。
本当に本当にありがとう。
わたし、この学校に来て、みんなに出会えて、ほんとうに良かった───…。