冗談抜きで土下座をした。
その3人の前、伝説と呼ばれた彼らの前。

呼び出した空き教室にて、わたしは地面におでこをつけた。



『お願いします……!!俺に力を貸してくださいっ!!』


『……カンナ、ちょっと顔あげてよ』


『無理っ、“うん”って言ってくれるまで上げない…!!』


『すごい意地』



頼くん、琥珀くん、ムツミ。

わたしの行動に彼らは驚いているんじゃなく、わたしから出た言葉に驚いていた。


今日だけArk.になってください───。


そう言った、わたしの言葉に。



『…いつから俺たちがArk.って知ってたの?』



やさしく、あたたかく、頼くんは聞いてきた。



『いつからというのはっ、詳しくは覚えてないんですがっ、ただ……いろいろ関わっていくうちに、そうなんじゃないかって、』


『…なんで気づいた?』


『そりゃわかるよ!!だって俺っ、いつも3人を見てたもん!!!』



ムツミの動き、頼くんの癖、琥珀くんの手。


毎日一緒に生活して、笑って、泣いて、はしゃいで。

そこまで長くない期間だとしても思い出は濃いものだから。