もし出場辞退となると、全体プログラムすら狂ってしまう。


このあとのステージ発表は、ひとつの舞台なんだ、ライブなんだ。

俳優コースもアイドルコースもバンドコースも、全校生徒が一致団結して作り上げるひとつのステージ。



「ちょっと俺っ、駆け寄ってみるから……!!スタジオAに集合!!」


「おいっ、カンナ…!!」



衣装は俳優コースから借りればなんとかなる。

マントみたいなやつ、ちょうど4人ぶんあった気がするから。



「すぐ行くから…!!ぜったい成功させる!!!それだけは約束するよ……!!」



もうダメ元だ。本当にダメ元。

わたしにはそれくらいしか思い浮かばなかった。


そのためなら何回だって頭を下げていい、土下座だってする。


それくらい、それくらい。

ここまで統一感が戻ってきた神藤学院の文化祭を潰すわけにはいかないの。



「……ほんとに、そんなこと……できたのかよ…?」


「うん!ほら俺っ、理事長の孫だから!その権力!使っちゃったよね!!」


「……まじ、で、」


「本人たちはステージで合流してくれるらしいからっ!だからユータとコータはStar☆ticeとしてダンサーになって!!」