模擬店もだんだんと終わってきて、ライブが行われるホールへと誰もが移動しつつあった校内にて。
アイドルコースの2年、3人組ダンスユニットを組んでいる男たちが駆け寄ってきた。
「助けてくれカンナ…!!」
「えっ、なにかあったの?」
「リョータが……リハ中に足を捻(ひね)っちまって…」
「……え」
「このあとのライブ、無理そうなんだ…」
ユータ、コータ、リョータ。
その3人が揃ってStar☆tice(スターチス)。
ひとりでも欠けたら意味がない、みんなが揃うから最高なものが作られる。
そのうちのリーダー格でもあるリョータが、なんとライブに出られる状態ではなくなってしまったらしいのだ。
「きょ、今日だけ2人でやるとかは…」
「ダメだっ、プロデューサーだってたくさん観に来る…、今日のために俺たちがどれだけ練習したことか…!!」
「だからこそじゃんっ!だからこそリョータのぶんも2人で…!」
「できないんだ…!あれは3人で組み合わせたダンスに構成してあるから……、今さら変更なんて、」