「女の子だーーー!!!!」



誰が叫んだかなんて、関係ない。

もうみんな、全員だ。


普段とは別物の華やかな匂い、声だけで伝わる柔らかさ、きゃっきゃっと聞こえるだけで男たちはイケメンながらに顔面崩壊。


それは文化祭という名の楽園。



「ふっ、レディーという名のサンシャインを浴びたスクール…、最高だぜ…」


「もういいってカンナ。その聞いててしんどすぎる補欠は」


「えー、雰囲気から作っていこうよ頼くん!」


「誰がそんな補欠がいるクラスに来たいと思うんだよ」



看板を持って見回る校舎内。

わたし、頼くん、琥珀くんが頼まれたことで3人で客寄せ。



「あっ!そこの女の子たち!俺たちのクラスね、チキンナゲット!めちゃくちゃ美味しいからぜひ来て!」



よし、中学生らしきこの子たちをターゲットにしよう。

わたしが声をかけると、キラリと彼女たちの目はハートに変わった。



「きゃーっ!どこのクラスですか!?」


「バンドコース2年!東棟のねっ」


「お名前はなんて言うんですか!?カッコいい~!!」


「俺っ!?俺は郡 カン───」


「あっ、ちがいますそっちの2人のことです」


「…………」