なにかあると必ず頼くんに伝えたくなって、いちばん最初は頼くんに知ってほしくて。

ぜんぶを一緒に共有したいのは頼くんになった。



「お前なんなの。いつも俺からすると照れて逃げるくせに」


「転校生だってっ!甘彩学院からっ!すごいよ頼くん!!」


「…ふっ、よかったね。借金地獄にはならなそうだよカンナ」


「うんっ!!」



こんなことも日常茶飯事になりつつあった今日は、クラスメイトのなかにそれを初めて目にする男の子がいた。



「…ムツミ、ふたりは付き合ってるの?」


「あーー、あいつらはな、あれが平常運転なんだよ。どうにも頼はそっち気質らしいし、カンナはよく分かんねーけど。まあ男同士だし、遊んでるだけじゃん?」


「……なわけないでしょ」


「え?あっ、おい、また帰んのかよ琥珀!ちなみにあれ見て羨ましいと感じなかった俺はホモじゃねえことが判明したぞ…!!」



つぎ訪れる行事は文化祭だ。

お祭り騒ぎの模擬店、女の子たちがやってくる男たちにとっての一大イベント。