「あっ、ううん!なんでもないわカンナ…!いや、カンナちゃん!それも違う!カンナ様…っ」


「あっ、そこまで言われると逆に嬉しくないかも。お母さんわたしお腹すいた!朝ごはん食べていい?」


「……うん、どうぞ」


「わーっ!今日いつもより豪華だねっ」



テーブルに用意されている朝食を前にして、子供のように目を輝かせた。


もちろんいつもお母さんは栄養バランスを考えた愛情たっぷりの手料理を用意してくれるのだけれど、今日なんかは朝からデザートやケーキまでもが並んでいて。


なにかのお祝い事にしては分かりやすいというか、大袈裟というか。

だとしても疑うことなく手を伸ばすのがわたしであった。



「カンナちゃん、カンナちゃん。ミックスジュースもあるけど飲むかい?」


「飲むっ!ありがとお父さんっ」



自分で注ごうとすれば、「大切な娘にそんなことをさせるわけにはいかないっ!」と言って、まさかの注いでくれる父。