ふわっと浮かせて、とんっと地面に下ろされる。
どういうわけかわたしと頼くんは、クラスメイトたちにとってそれが“当たり前”になってしまっているようで。
ツッコむ人間はそこまで存在しなかった。
「え、もしかしてそれ手作り?」
「う、うん…。学食は美味しいけど太るのも嫌だし…」
「…へえ。カワイーこと気にしてんね?」
「っ、な、なんだよもう!!」
授業中だけでなく休み時間にお昼休み。
彼は常にわたしの隣に居るようになって。
今も中庭のベンチでひとり広げようとしていたわたしの隣、当たり前のように座ってくる。
「これ卵焼き?それでタコさんウインナーでしょ。トマト、ブロッコリー、…こっちはポテサラ?」
「う、うん。でも作ったのは卵焼きとウインナーだけ…」
「あ、そなの?」
「…それくらいしか作れないもん。ポテサラはお惣菜で、トマトとブロッコリーは飾った…だけ」