「俺は大事にするよ。誰かみたいに優柔不断なことばっかしないし、半端な行動だってしない」
「うんっ!さっすが頼くん」
「…嘘もつかない。自分の選択に後悔もしないし、後悔する選択なら最初から選んでない。俺はぜったい、どんなときも、自分の行動にはちゃんと責任持って動くから」
「…うん」
いいなあ…。
わたしも誰かにそこまで想ってもらえるような人間になりたい。
って、これ友達だとしても抱きしめ合うのはダメなんじゃ……?
「カンナ、」
「っ、頼くん…?」
さっきはいくら言っても呼んでくれなかったのに。
今度は呼んでくれる。
それなのに「カンナチャン」って言われるよりも恥ずかしく聞こえて、わたしは困惑してしまった。
「頼くん…、あのね、……し、シオンさんって…、琥珀くんが好きなひと…?」
聞くべきじゃなかったかもしれない。
空気をぶち壊す質問だったかもしれない。
でも、知りたかった。
まだ女性だと断定はできない。
シオンって、男の名前でもありえる。