「カンナが新しいところで上手くやれるか、あたしちょっと心配~」
「心配?あっ、お友達は頑張って作るよ?」
「うん、友達に関してはそこまで心配はしてないの。そうじゃなくて…、あんた良い子すぎるからさあ~。
良いように扱われたり、泣かされたり、そーいうのしないかなあって」
「……がんばる」
なーちん、聞いて。
あのね、男の子ばかりなの。
そこでわたしも男の子になって生活するの。
いろんな意味で不安はもちろんあるんだよ、やっぱり。
───と、心のなかでポツポツと。
「なーちんみたいな優しい子と出会えたらいいなあ」
「やーん!でもあたしより仲良くなっちゃダメよ?」
「ふふっ、うん!」
男版なーちん、みたいな。
そーいうひとが居ればいちばんいいけど、そこまで現実は都合よくできていないことは知ってる。
「ん…?なーちん、なんか落ちたよ」
「あっ!」