「……ごめん」



2回目の、ごめん。


琥珀くん、わたしね。
琥珀くんのその言葉、かなり苦しいんだ。


前のシュークリームだって本当は悲しくて。

その日の夜、どうしてか涙がこぼれた。



「そっ、そりゃっ、そうだよ…!男からの告白だしっ、俺もなに言ってんだろ!あははっ」


「もし郡さんが男じゃなかったとしても、」



わたしは彼の声が好きだ。
彼のまっすぐな瞳が好きだ。

目を離した隙に消えてしまいそうな儚さを持っている彼が、芸術的な意味でも惹かれる。


だけど、初めて琥珀くんの声を聞きたくないと思ってしまった。


その先の言葉は言わなくていいよって。
やめてって。



「男じゃなかったとしても、僕は応えることはしないと思う」



わざわざ、言ってくれる。

どうして男のわたしにそこまで丁寧に答えてくれてしまうの。


応えてくれないのなら、答えなくていいんだよ琥珀くん。