気づいたときには、決勝。
もう1度全員で組んだ円陣。
声出しは、誰よりも闘志を燃やしている斎賀先生が。
「先発カンナ、あまり無理せず投げろよ」
「らじゃっ!」
ひとつ前の試合は休んだから、肩の調子もだいぶ戻ってきた。
こちらにもピッチャーは他に何人か揃えているため、上手くシャッフルしては使っていた。
決勝の先発ピッチャーだなんて大役だ。
わたしの心はメラメラと燃えたぎっていた。
「お前には何も言うことねえわ、頼」
「不安になるから良い意味で、って付け足してよ先生」
「アララギ、お前はこっからスタメン起用だ。さっきと同様マルチ安打で頼むぞ」
「……運に任せます」
「ムツミはあと3回はホームラン打て」
「簡単に言うなって!!」
もしかするとこのままプロ野球にも勝てちゃうかもしれない。
……は、言いすぎたけど。
でも本当に、それくらいの団結力だった。
「よし野郎ども!!存分に暴れてこい!!」
「「「おーーーっ!!」」」