「プレイボールっ!!」
響き渡ったホイッスル。
試合は7イニング制。
さっそく先発ピッチャーを任されたわたし、キャッチャーは頼くん。
守備でいちばん大切と言われるファーストを守るムツミ、琥珀くんはピンチヒッター扱いなのでベンチスタート。
「ストラーイクっ!!」
「うそだろ!?曲がったんだけど…!!おいっ、くそ雑魚ピッチャーじゃねえのかよ!!」
だれがくそ雑魚ピッチャーだ。
バッター、スコッと空振り。
なんとなんと、ありえないことに。
そりゃもう仲間たちまでもが目を見張るほどに。自分でも驚くほどに。
わたしのコントロールは想像以上に成長していたらしいのだ。
「勝者、バンドコース2年!」
こんなことがあっていいのかい、バンドコース。
頼くんの頭脳勝ち、恐るべし。
「ムツミーー!行ったれーー!!」
「サヨナラにしろよーーっ!!お前ならいけるぞーーー!」
2戦目、アイドルコース3年。
7回裏、5-5、ノーランナーの2アウト。
バッターボックスに立ったのは、ヒットを連発している藍沢 陸海。