それから公園には来てくれなくなって、キャッチボールもできなくなって。

でも俺はもう1度会いたかったから、琥珀の家に向かった。


小学校も金持ちばかりが行くインターナショナルスクールに通っているらしかったから、こうするしか無いと思ったんだ。



『も、もう会えない…から』


『なんで!またキャッチボールしようよ!おれずっと待ってるから…!』


『……できない』


『おれのこと嫌いになった?おれ、なにかしちゃった?』


『っ、会っちゃダメだから…!!』



あんなに楽しそうな顔をしていた。

知らない世界を初めて見たように、目をキラキラさせて。

だから彼の意思じゃないんだろうとは、わかっていた。



『ぼくは…、お父さんが望む人間にならなくちゃ、だから』


『どーして?』


『そうしないと……怒られる、から』



俺も、怒られる。

母さんには野球ばっかしてないで宿題しなさいって。

野球では監督の指示を無視したときなんかも、怒られる。


だから俺はいつも、こんなふうにしていた。