「お、わりといいかも」
「えっ、ほんと!?」
「曲がったよ。まだ若干だけどね」
「うそーっ!」
自分では全然わからないけど、本当に変化球となったらしい。
わたしの絶望的なコントロールを誇るストレートも、特訓を続けた最近はストライクゾーンに10球中3球は入るようになっていた。
「でも頼くん…、他クラスはみんな豪腕ピッチャーだったりしない…?」
なぜか唐突に訪れた不安。
新しいことをクリアしていくと、逆にもっと上がいるんだとも想像が膨らんでしまう。
「あのさあ、誰とのバッテリーだと思ってんだよお前」
「頼くん」
「頭脳戦でいくから、俺たちは」
だとしても怯えもしない友達。
サインをふたりで決めて、すべての戦術は御堂 頼に任せようと作戦会議。
「声出してけお前らーー!カルビ牛タンハラミにホルモン!はい繰り返せーー!」
「「「カルビ牛タンハラミにホルモーーーン!!」」」
「あははっ、特上だーーーっ」
「「「よっしゃあああ!!!」」」