「いいか? これはお前が自分の意思でやったことだからな?」


大谷くんの声と「やめて!!」と叫ぶ声が重なり合い、次の瞬間、窓の向こう側に女子生徒の姿が消えていた。
次いでドシャッと重たいものが落下したような音が窓の外から聞こえてくる。


「イヤァ!」


教室でその様子を見てしまった誰かが悲鳴を上げて逃げ出す。
それにつられるように次から次へと生徒たちがドアに殺到していき、なかなか出られない状況になってしまった。
大谷くんが大股に近づいたかと思うと、最後尾にいた男子生徒の襟首を後ろからつかみ、引き倒した。
そしてシャツをめくりあげて感染していないかどうか確認する。


「お前はセーフ」


ニタリとした笑みを浮かべたままで男子生徒を開放する。
開放された生徒はすぐさま教室の後ろへと逃げ出した。
大谷くんは同じようにドアに群がる生徒たちの感染を確認している。